読者の皆様、お久しぶりです。
ちょっと燃料タンクに小さな凹みを見つけてしまいまして、それをデントリペアで修理しましたのでリポートしてみます。
先日、新タイヤの慣らしで朝練をやった後、バイクを磨いている時に、タンク右側の肩の部分に小さな凹みがあるのを見つけました。
自分としては、何かぶつけたような心当たりはまったくなく、いつできた傷なのかも分かりません。バイク走行後は毎回外装を磨くようにしており、発見したのはつい最近ですが、単にこれまで気付かなかっただけかも知れません。
凹み自体は小さなもので、言われなければ気付かない程度のものです。しかし、見つけてしまった以上、気になって仕方がありません。
14年落ち、走行距離74,000kmの老兵なので、気にしなきゃいいじゃん! と言われりゃそれまでですが、このまま放置する自分自身が許せないので、何とか直そうと思ったのでした。
タンク右側、肩の部分に出来た小さな凹み。
ちょうど赤丸の部分がそこだ。
この通り、よく見りゃ分かる程度の浅い凹みだが、よく見て分かってしまっ
た以上、直さねばならんのだ。バイク乗りの悲しい性(サガ)である。
理由は分からない。心当たりがない。駐車中に何かが倒れて当たったか。
こないだ、ミラーにかけておいたヘルメットを落下させてしまったが、その時
にタンクに当たったのだろうか?
さて、修理に際してはデントリペアを利用することにしました。
以前、クルマの凹みを直す際にもデントリペアを利用したことがあるのですが、これはツールを使って外装の凹みを 裏側から押したり、表から引っ張ったりして修理する方法です。塗装面をいじらないので、板金塗装みたいに補修部分のみ色合いが違ってしまうといったことがありません。加えて板金塗装よりも早く安く仕上がるのも魅力的ですね。
で、クルマ相手のデントリペア業者はたくさんあるんですが、バイクのタンクをやってくれる業者なんてあるんだろうか?
そこでネットで「バイク タンク デントリペア」でググッてみたところ、一番最初に「DENT LABO U1」というショップが出てきたのです。ホームページによると、同店はバイクタンク専門ではないが、数多くの修理実績を誇り、全国から修理依頼があるとのこと。
所在地は福井県勝山市。宅配便でタンクを送っても良いらしいのですが、福井なら愛知県の隣の隣でそう遠くないし(←そうなの?)、せっかくなのでタンクを外し、ドライブがてらクルマで直接持ち込んで直してもらおうと思ったのです。
さっそくショップに予約を入れ、バイクからタンクを外し、燃料を抜いて箱に詰め、勇躍福井県に向かったのでした。
車体からタンクを外し、燃料ホースをコックに接続してガソリンを抜く。
タンク容量21ℓに対し、ガソリン携行缶の容量は10ℓしかない。だから前回
無理やり朝練をやって、ガソリンを減らしておいたのだ。
常識だが、ガソリンをポリタンク等で保管するのはNGだ。
専用の携行缶を使わなければならない。
ダンボールを切り貼りして、専用の運搬ケースをこしらえた。XJR1300のタ
ンクはけっこうでかいので、ちょうど良い大きさの段ボール箱がないのだ。
タンクを傷つき防止用の化繊シートでくるみ、クルマの荷台に自転車用ゴ
ムひもで固定する。
燃料タンクの分際で専用ベッドまでこしらえてもらって、まるで精密機器ば
りのVIP待遇だ。ちなみに一応私は人間様の端くれだが、自宅に私のベッド
はない。
読者の皆様の中には、「その程度の凹みなんか気にしなきゃいいじゃん」とか、「福井まで行かなくても、宅配便で送ればいいじゃん」というご意見もあるかも知れませんが・・・
直すんだよ! 見栄っ張りだから。
行くんだよ! 面白いから。
いつもの可児バイパスは小雨が降っているが、「いいんじゃね? 涼しくて」
なんて余裕のひと声も出てくるのはクルマの旅ならでは。
バイクだったらこうはいかない。
国道156号経由で長良川沿いを北上する。
相変わらず曇っているが、とりあえず雨は止んだ。
郡上八幡からは県道61号で白鳥へ。
目の前のループ橋を通って一気に高度を上げる。
9月3日、午前5時過ぎに出発。国道248号で瀬戸~多治見~可児~美濃とつなぎ、国道156号で郡上八幡へ。
ツーリングと同じ時間帯、同じルートですが、クルマで走るとちょっと新鮮な気分です。早朝で、しかも曇っているため非常に涼しく、エアコンをかける必要がありません。
郡上八幡からは県道61号で白鳥に抜け、油坂峠道路を通って福井県へ。国道158号で九頭竜湖畔を駆け抜け、深い谷を抜けて大野市へ。
目指す勝山市は大野市のすぐ隣に位置し、ショップ到着は午前9時ちょっと過ぎ。ちょうど開店時刻頃に着きました。
バイクとは違い、オーディオで音楽を聴き、コンビニコーヒーをすすりながらの気楽なクルマ旅。たまにはこういうのもいいですね。
油坂峠道路を通って福井県に入り、九頭竜湖畔を駆け抜ける。
まだ朝8時過ぎとあって交通量僅少。楽しくドライブできた。
九頭竜ダムをバックに・・・
九頭竜湖から先は、九頭竜川が作り出した深い谷の中を走る。
随所に落石・落雪防止のシェッドが設置されている。
DENT LABO U1は駐車場も店内も広々としており、清潔で明るい雰囲気。中にはスナップオンのツールキャビネットが並び、オーナーさんの趣味のモノが置かれたりして実に快適な空間でした。
さっそくクルマからタンクを下ろして作業して頂きます。今回、横着して燃料コックを外さないまま持ってきたんですが、きちんとタンクの下に角材をかませて対処してくれるあたり、さすがプロだと感心することしきり。
オーナーさんから「思ったよりも凹みが小さいので、順調にいけば1時間以内でできます」とありがたい言葉を頂いたので、作業を見せてもらいながら店内で待つことにしました。
福井県勝山市にある「DENT LABO U1」。
店舗も駐車場も実に広々としている。
「U1」(ゆういち)というのはオーナーさんご自身のお名前から取ったのだそ
うだ。
男子にとっては垂涎モノのスナップオンのツールキャビネット。
スナップオンは無理だとしても、いつかツールキャビネットは欲しいと思って
いる。
待合コーナーにはレカロのシートが鎮座。抜群の座り心地だった。
ここにはオーナーさんの趣味のモノが並ぶ。
カレラとデ・ローザのロードバイクだ。
さらにラジコンヘリとミニッツレーサーも陳列されている。
これはオブジェだろうか?
ロータリーエンジンのローターとハウジングだ。
同店には全国からタンクの修理依頼が来る。
このZ1000Mk.Ⅱのタンクもそうだ。
作業は蛍光灯で凹みの位置や程度を確認、タンクを作業台に載せ、不要な部分は傷がつかないよう丁寧にマスキングしたうえで、ずれたり落下しないようにきちんと固定して行います。こうした事前準備にも手抜かりはありません。
今回の凹みは給油口から近い位置にあるため、給油口からツールを入れて内側から押して直します。ツールが入らない場所の凹みはプーラーで表側から引っ張る方法もあるとのことですが、この方法では古いタンクや再塗装されたタンクだと塗装を傷めることがあるとのこと。クルマのボディと異なり、バイクのタンクはツールを入れる場所が少ない(給油口か燃料コックしかない)ので、独自の難しさがあるようです。
また、打突痕のような深い凹みの場合、中心の塗装が傷んでいる場合があり、デントリペアで凹みは直せても塗装の割れが残ることがあるとのこと。
私の場合は、給油口の縁に厚みがあったものの無事にツールを入れて凹みにアクセスさせることができ、凹みも浅く塗装の割れもありませんでした。ラッキーな方だったと思います。
1時間もしないうちに作業終了。完璧な仕上がりで、塗装面をいじらずそのままなので、凹みの痕跡などどこにも見当たりません。これで15,000円(税抜き)で済んだので、文字通り「早い! 安い! きれい!」という最高の結果となりました。
どうもありがとうございました。また機会があれば利用させていただきます。
DENT LABO U1
福井県勝山市旭町2丁目662
☎ 0779-64-5576
http://u1.shizentai.jp/
まずはタンクを作業台に載せ、蛍光灯で凹みの位置や程度をチェックする。
下部の燃料コックが抵触しないように、角材をかませてセットしてくれる。
施工前の状況。マスキングテープの上の部分に凹みがある。
タンクに写り込んだ背景のゆがみで、凹みの存在が分かると思う。
このようにツールを給油口に入れ、凹みを直押しして平滑にするのだ。
不要な部分はきちんとマスキングし、作業台にしっかりタンクを固定しての
作業だ。さすがプロの仕事だなー。
作業部位を逐一確認しながら丁寧に押して直す。
繊細かつ、力と根気のいる作業だ。
施工後の状況。どうです? 完璧に直ってるでしょ!?
支払いを済ませ、クルマにタンクを載せ、もと来た道を引き返します。まだ午前10時過ぎで時間的には余裕がありますが、午後から雨が降ると聞いていたし、一刻も早く車体にタンクを組み付けてやりたいという思いがあったので、どこにも寄り道せずにまっすぐ帰宅します。
帰りは郡上大和から高速を使い、帰宅したのは午後1時過ぎ。所要時間は往路4時間、帰路3時間だったので、途中で高速を使うと1時間ほど短縮できるというわけですね。
本日の走行距離(クルマ)は370kmでした。
往路と同じ道を引き返す。
これは九頭竜ダムのダムサイドでトイレ休憩の1コマ。
九頭竜湖畔を岐阜方面に向けて駆け抜ける。
愛車のSG型フォレスターは、もともと全高が低めであることに加え、水平
対向エンジンならではの低重心設計&4WDで、妙なロールもなくワインディ
ングも楽しく走れる。
まあ、スポーツ志向のタイヤ(BSデューラーHPスポーツ)を履いているとい
うのもあるが。
ループ橋を駆け下りて、白鳥の街に入る。
帰りは横着して、郡上大和から高速を使う。
本日は370km走って燃費は12.46km/ℓだった。信号の少ない一般道と高
速を使ってこの数字なのだから、このクルマの燃費はこれが限度かな。
まあ、2ℓの4WDとしてはこんなもんでしょう。ATも4速しかないし。
帰宅してすぐにタンクを組み込み、燃料を入れた。
ホース類がきちんと接続されているか確認するためにエンジンを始動、異
常はなかった。
これでタンクも完璧に直りました。
秋になり、涼しくなってきたのでどしどし出かけようと思います。
コメント
コメント一覧 (3)
タンクの凹みや傷は、バイクにとっては致命傷ですよ。四輪のボディに小傷がついても「まぁ、しょうがない」と思わないでもないですが、バイクは違います。私も気になってしょうがないです。
しかし、良いリペアのお店を見つけましたね。
わざわざタンクをはずして、車で福井に行くのが松ちゃんらしくて笑えます。たまには車で遠出したかったんですよね(笑)
U1の店長さんも趣味人でこだわりのある人のようですね。ショップに飾ってあるもので、勝手な判断ですが・・・。松ちゃんとなら濃い~い趣味の話が弾んだのでしょう。
タンクの凹みも直って、これからも気持ちよくバイクに乗れますね。
因みに私も以前タンクにエクボを作ってしまったのですが、私は吸引式のリペアキットで補修しました。
結果ですが3回位の吸引施工で、目を凝らせば何とか認識可能な位に復活する事が出来ました。
使って観て感じたのは思いの外吸引力が強くセルフ塗装なんかだと簡単に剥がれてしまうと思います。
元々極々浅井エクボだったのでセルフでやって観たのですが実の所、金銭的な事よりこう云うセルフ的な修繕が楽しかったりするんですよね。w
ご自身でデントリペアされたことがあるのはすごいですね。
確かに、デントリペアには外側から引っ張る方法もあるようですが、「DENT LABO U1」のオーナーさん曰く、再塗装歴があったり、年式が古いタンクなどは塗装剥離することがあり、お勧めできないとのことでした。
しかしバイクのタンクは裏側からツールを入れるホールや隙間がほとんどないので、凹みの部位によっては引っ張りにならざるを得ないとも言われました。
ともあれ、凹みを作らないように気を付けるのが一番ですね。